タクティクスオウガ(物語篇)

Ogre Battle Saga Episode Ⅶ -Let Us Cling Together-

光とともに沈黙があり、闇とともに叡智がある。


発売元 クエスト

対応機種 SFC / SS / PS

(※この記事はPSPのリメイク「運命の輪」の内容には対応していません)

主人公の名前及び主人公の率いる騎士団名は、ゲーム中ではプレイヤーが任意につけることができます。

ここでは予め用意されているものを用いています。

主人公名:デニム 騎士団名:神竜騎士団


あらすじ

BACKGROUND ~物語の背景~

「タクティクス オウガ」は、オウガバトル・サーガの7番目の物語として設定されている。

舞台となるのはゼテギネア大陸ではなく、オベロ海に浮かぶ島、ヴァレリア島。

小さいながらも争いの絶えなかったこの島は、半世紀ほど前に覇王ドルガルアによって統一された。

統一君主ドルガルアには王子がいたが、早くに事故死する。ドルガルアの死後、後継者が不在であったため、ヴァレリア島は再び戦乱の時代を迎えることとなる。

ヴァレリア島には三種類の違った民族が住んでいるが、戦乱はそれらの民族間の紛争の形をとることになった。

少数・支配階級であるバクラム人、多数派であるガルガスタン人、少数・被支配階級であるウォルスタ人。

さらには、大陸の国家ローディス教国が、なぜかこの内戦に介入してくる。

INTRODUCTION ~物語の始まり~

主人公デニム・パウエルは、少数民族ウォルスタ人の少年である。

港町ゴリアテで姉のカチュア、牧師である父プランシーとともに暮らしていたデニムは、突然攻め込んできた暗黒騎士団ロスローリアンによって故郷を焼かれ、父親も拉致されてしまう。

この「ゴリアテ襲撃」の一年後から、物語は始まる。

デニムの幼馴染であるヴァイスが、ある極秘情報をたずさえて訪れた。暗黒騎士団のリーダーであるランスロット・タルタロスが再びゴリアテにやってくるというのだ。父や死んでいった人々の復讐のために、ウォルスタ人の未来のために、デニムとヴァイスはランスロット暗殺を試みる。

しかし、ゴリアテにやってきた「ランスロット」は暗黒騎士団のリーダーではなく、別人だった。

その「ランスロット」は新生ゼノビア王国の聖騎士ランスロット・ハミルトンと名乗る。彼とその一行は、ゼノビアの王トリスタンに追放されてこの島にやってきたのだと語る。

誤解が解けた後、ゼノビアの騎士たちの助けを得て、デニムたちはアルモリカ城の奪回を計画する。そこには、ウォルスタ人の指導者ロンウェー公爵が囚われているのだ。

アルモリカ奪回に成功したデニムは、ロンウェー公爵率いるウォルスタ解放軍の騎士として迎え入れられ、「ゴリアテの英雄」と呼ばれるようになる。

DETERMINATION ~運命の選択~

ロンウェー公爵率いるウォルスタ解放軍の一員として活躍していたデニムに、公爵からの命令が下った。

ガルガスタンの支配下にあるウォルスタ人自治区バルマムッサへ行き、捕らわれているウォルスタ人たちを説得・蜂起させよ、というのだ。

自治区とは名ばかりで、実際にはバルマムッサは強制収容所のようなものであった。

バルマムッサの町に潜入したデニムたちは、住民の説得を試みる。しかし、日々の生活に追われる人々は武器を持って立ち上がることを望まず、あまつさえ、戦争を行っているデニムたちを平和を乱す存在として責めるのだった。

そこへ、公爵の片腕である騎士レオナールが現れる。レオナールの伝えた「公爵の真の命令」は恐るべきものであった。

ウォルスタ人の結束を固め、ガルガスタン陣営の内部崩壊を進めるために、ガルガスタンの名をかたり、バルマムッサのウォルスタ人たちを一人残らず虐殺せよ……。

デニムは決断を迫られる。

理想のために私情を殺し、自らの手をあえて汚すのか。それとも、非道の行いはあくまで否定し、正義なきウォルスタ解放軍と袂を分かつのか。

『わかっています。理想のために、この手を汚しましょう』

『馬鹿なことはやめるんだッ! 罪もない人々を殺して何が大儀だッ!』

TRUTH ~衝撃の真実~(以下ネタバレ!)

いずれの道に進むにせよ、デニムはもはや戦いから身を引くことはできなかった。

だが、戦いにその身を捧げる弟にカチュアは不安を抱く。戦争を避け、故郷へ帰ろうと言い出す姉に対し、デニムは苛立ちを示し、口論になる。

父の敵を討つために戦ってきたのではないかと言うデニムにカチュアは告げる。

自分たちはプランシーの実子ではない。身内と呼べるものは互いの他には存在しない、たった二人きりの姉弟なのだと……。

衝撃を隠せないデニムを残し、カチュアは単身故郷ゴリアテに帰る。

ゴリアテに戻ったカチュアは、遠く戦いを続ける弟を思いながらつぶやく。

「私たちはたったふたりきりの姉弟なのよ……」

だがそのとき、聞き覚えのある声が告げた。

『いいや、それは違う。君は天涯孤独の身だ』

ふりかえったカチュアはそこにランスロット・タルタロスの姿を見つけた。

驚き、おびえるカチュアにランスロットは言う。

カチュアの本名はベルサリア・オヴェリス。ヴァレリアを統一した覇王ドルガルアと王妃の侍女マナフロアの間に生まれた妾腹の王女なのだと。

告げられた真実の重さにカチュアは対応する術を見出せないまま、ランスロットに従いゴリアテを去り、以後、暗黒騎士団と行動を共にするようになる。

一方デニムは、もはや一勢力の盟主とみなされるようになっていた。

ガルガスタンのバルバトス枢機卿、ならびにウォルスタ解放軍のロンウェー公爵亡き後、ヴァレリア島の勢力分布図は書き換えられ、バクラム・ヴァレリア国の盟主ブランタ・モウンとローディス教国の暗黒騎士団、そしてデニム率いる神竜騎士団の三つに収束されていた。

ここに登場したのが王女ベルサリアである。

長い戦乱に飽いた人々は、覇王の娘に平和の光を見出す。

だが、デニムにとっては、王女ベルサリアの登場は、複雑な感情をもたらすものであった。

姉と信じていた人は王女であり、しかも自分のもとを去り、暗黒騎士団と共にいる……。

さらには、王女の存在が神竜騎士団内部の造反をもたらすことになる。旧ヴァレリア国の国教であったフィラーハ教を奉ずるメンバーが、神竜騎士団の勢力下にあったブリガンテス城をのっとったのだ。

造反者を説得すべく、ブリガンテス城に単身乗り込んだデニムは、そこで意外な人物と再会する。もはや死んだものとして半ば諦めていた父プランシーが彼を待っていたのだ。

プランシーは暗黒騎士団の拷問によって業病を患う身となり、いまわの床にあった。苦しい息の下から、プランシーはデニムにカチュアの出生の秘密を語る。

ドルガルアの子どもを身ごもった侍女マナフロア(カチュアの実母)は、王妃ベルナータの怒りと嫉妬から逃れるべく、城を去る。その彼女に手を貸したのが、ブランタ・モウンとその実弟のプランシーだった。

王女の出産と共にマナフロアは命を落とす。ブランタは、王妃ベルナータに取り入るために、王女の生存を王に伝えようとはせず、弟のプランシーに、プランシー自身の子どもとして育てるように指示する。

王女を託されたプランシーは自分の娘カチュアとして彼女を育てるうちに、実の娘として、家族として、彼女を愛するようになる。

ベルナータ王妃の生んだ王子が亡くなったとき、プランシーが王女の存在を明らかにしていれば、今日の戦争は起こらなかったかもしれない。しかし、自分を父と慕う娘をプランシーはどうしても手放すことができなかったのだ。

すべてを話し終えたプランシーは静かに息をひきとった。

悲しみに沈むデニムに、フィラーハ教団の僧侶オリビアが話しかける。

彼女は言う。ブランタ・モウンと彼の父プランシーは実の兄弟である。デニムはカチュアとは違い、プランシーの実子である。したがって、デニムはブランタ・モウンの実の甥であり、バクラム人である……

自分はウォルスタ人ではなくバクラム人だった。しかもあの司祭ブランタの血縁だとは……

あまりの衝撃に、オリビアの話を信じようとしないデニムだったが、穏やかに語るオリビアの中に真実を感じ取る。そして、真の平和のために身を捧げることを新たに誓うのだった。


シナリオ分岐について

この作品では、主人公の選択によってシナリオが分岐することがある。この時同時に主人公のALI(アラインメント)が変化する。

この主人公のALIにしたがってそれぞれのルートをC(カオス)ルート、L(ロウ)ルート、N(ニュートラル)ルートと呼んでいる。

ロウ(L)

既成の法や秩序を重んじる立場。

体制側から見れば、「正義」である。

法に束縛されるがゆえに、思考が硬直することにもなりうる。

カオス(C)

自由を求め、おのれの価値観や感情に従おうとする立場。

既成の秩序とそれらが対立する場合、革命を求める。

それゆえに体制側から見れば、破壊者的な存在ともなる。

ニュートラル(N)

ロウとカオスの中間に位置し、調和を重んじる立場。

悪く言えば日和見主義者。


分岐の詳細

CHAPTER 1.『僕にその手を汚せというのか』

バルマムッサの町にて、騎士レオナールの問いに対して

「…わかっています」(虐殺に参加)→L

「馬鹿なことはやめるんだッ」(虐殺を否定・離脱)→C

CHAPTER 2.『誰も僕を責めることはできない(L)

シナリオ分岐なし

CHAPTER 2.『思いどおりにいかないのが世の中なんて割り切りたくないから』(C)

アルモリカ城にて、騎士レオナールの問いに対して

「確かに争っている場合じゃない」→N

「それは絶対にできない」→Cのまま

CHAPTER 3.『欺き欺かれて』(L)

CHAPTER 3.『すくいきれないもの』(N)

CHAPTER 3.『駆り立てるのは野心と欲望、横たわるのは犬と豚』(C)

CHAPTER 4.『手をとりあって』(共通シナリオ)

※どのルートを経由しても4章は同一シナリオに進む